墨ってすごい!
こんにちは!大槻です
先日、奈良に行かれた方に墨の話を聞かせてもらいました。
墨は約2000年前の中国・漢の時代に作り出され、
我が国への伝来は、約1400年前の推古天皇の時代に、朝鮮半島の高麗の僧・曇徴(どんちょう)がもたらしたと言われているそうです。
記録材料として、数千年の年月に耐え、最近の科学技術による色々な記録媒体と比べても、全く遜色のない優れたものであるという事に、そんなふうに考えた事がなかったのでとても素晴らしい物なのだと感じました。確かに昔の書物や書簡などが綺麗にそのまま残っていたりします
墨の原料は煤(すす)と膠(にかわ)と香料で、これを練り合わせて作るそうです。煤は、菜種油や松脂(まつやに)を燃やして、その煙から出る煤に皿をかぶせて採取されていますが、もとの材料から採れる煤の量は、僅か1~2%なんだそうです。本当にちょっとなんですねとても根気のいる作業のように感じます。
また、膠は、動物の骨や皮を煮詰めて抽出した液を濃縮したもので、最近は、ここから化粧品や薬用にコラーゲンを採り出すので、墨の良質な膠の入手が非常に困難なのだそうです確かに美容に良いのでコラーゲン入りの物をよく見かけますが、墨を作るのにも必要だったのですね。
墨の製造は、煤の収集から、練り上げ、型入れ、乾燥まで、ほとんどが手作業で熟練の職人に頼らないといけないそうです。
お習字を習っているわけでもなく、今では墨を使う事がないのですが、また、お習字で墨をすって書きたくなりました。人の手でこんなに時間と手間をかけて作られているのかと思うと大事に使いたいし、長く保存ができる墨を見直し、もっと身近になっていくといいなぁと思いました。